彼らが恋する世界。

『彼らが生きる世界』は、
ドラマの制作現場で起こるであろうエピソードを盛り込みながら、進む。
しかし『オン・エア』のように紆余曲折しながら1本のドラマ作り上げるというような
大きな流れがあるわけではなさそうだ。（ＬａＬａＴＶで３話あたり）
監督の苦労、脚本家の意地、女優のわがまま、上層部から無理難題などのエピソードが、
毎回出演者の誰かに絡み付くといった感じだ。
だから、感情移入できる主人公がいてドラマの展開を広がるというよりは、
ドラマの制作現場で事件が起こり、人々がそれに反応するという構図だ。
その反応や対応の仕方で、登場人物の性格や関係性を推し量ることが、ドラマ序盤の仕事となる。

たとえば、主役二人の関係性。
チェ・ジュニョン（ソン・ヘギョ）とチョン・ジオ（ヒョンビン）は大学の先輩後輩だが、
一時付き合っていた。しかし今は共に好きな人がいる。
しかしジュニョンは、冒頭話でいきなり医者の恋人に重々しくフラれる。
さらにジオの彼女は、旦那と別れると言い張る既婚者で、最近になって旦那の子供を身ごもる。
これだけでもドラマになりそうだが、ある意味これは二人の性格と立場を語るエピソード扱いだ。
つまり、ソン・ヘギョとヒョンビンを生身の複雑な人間として動かし、
しゃべらそうとする意図がある。だってまだ３話。

よって男勝りの熱血監督役ソン・ヘギョと、冷静沈着な有能監督ヒョンビンが
ぶつかり合いながら恋に落ちるというだけの、単純なドラマではなさそうだ。
なるほど、いかにも二人が恋に落ちるきっかけになりそうなドラマである。　　

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